グラフィック

「アイスクリームの風船ほしー!!」

こんにちは。アド広研 営業部です。今回は、みなさまが広報活動を行なう中でも欠かせないイベントブース設営。社内イベント、市のイベント、リクルートイベント等、イベントと言っても様々なものがありますが、今回は例として姫路市で行われたイベントの事例をご紹介いたします。

「イベント」と聞くと、皆さんはどのような印象があるでしょうか。

大抵の人はイベントと聞くと『楽しそう・にぎやか・面白い』など、明るくポップなイメージかと思います。そんなイベントの裏側には、たくさんの人の苦悩と、人を楽しませたい、喜ばせたい、元気付けたいという想いがこもっています。

クリエイティブディレクターとは

クリエイティブディレクターとしての仕事は主に『お客様に寄りそったアイデアの提案をすること』です。基本的にはお客様の困り事や悩みをお伺いし、それに一番適したものを提案する。その提案の中でわたしは、クライアントとその先にいるユーザーさまが、驚き、手にしたくなる、体験したくなるであろう提案をすることを心がけています。

そんなクリエイティブディレクターの一番の腕の見せ所と言っても過言ではないのがイベント設営です。先程もお話をした通り、イベントは人が集まる明るくポップな場所です。普段の生活の中には無い刺激がたくさんあり、多くを学ぶ場でもあります。そして出展者は、普段会社に居る中ではできないことをやってみる最大のチャンスでもあります。その思い描いているイメージを現実に変えていくサポートをし、ちょっと味付けをする。それが、クリエイティブディレクターです。

イベントの雰囲気と求めるもののマッチング

出展に携わる際、情報として一番重要になってくるのが出展者の想いとイベント会場の雰囲気ですが、ときにはイベントの雰囲気と求めるものが相反してしまうこともあります。その想いを汲み取ってチグハグなものを繋げる【アイデア】を生み出すことこそが、クリエイティブディレクターとして携わる意義になってきます。また、お客様は全く予想していなかった方向からのクリエイティブな【なにか】を生み出す力。これは、お客様の喜ぶ顔と驚く姿を想像しながら、たくさんの情報とお客様の想いをもとに頭をフル回転させて生み出します。

今回、姫路市で行われたイベントにブース出展をされる企業様からお声がけを頂きお仕事をさせていただきました。出展者様は、前回同様、風船を使って子どもたちとの触れ合いや地域の人たちとの繋がりを求めていました。

そこで何点か問題が。。。

前回はヘリウムガスを使って紐を付けて配っていたが、今年はヘリウムガスの用意が期間的に間に合わない。
ヘリウムガスで浮くから子どもたちも喜んでもらうけれど、果たして浮かない風船にただ棒を差して渡して喜んでくれるだろうか。
前回は中止になっているイベントで、今年も状況によっては中止になるかもしれないイベントにそこまで予算は裂けない。
その中で、企業イメージとかけ離れすぎない程度の目立つアイテムと雰囲気を崩しすぎないアイデアがほしい。

さぁ、どうしましょうか。

たくさんの意見、企業イメージ、予算、出展の効率、そしてインパクト。

たくさん試行錯誤をする中で、一つ頭に思い浮かんだものがアイスクリームでした。

アイスクリーム風船の誕生

風船から一度離れて、子どもたちが喜ぶカラフルなもの=(イコール)で考えたとき、一番にアイスクリームが思い浮かびました。

風船でアイスクリームを作るにはどうすればいいか。硬めの紙にコーンの柄を印刷して扇形にカットし、丸めて上に風船を乗せる。それだけだと持ちにくいので、風船に棒をつけたものを中に通し、コーンの下部分から棒を少し出せば、子供でも簡単に手で持つことができます。
早速、A3用紙で試作品を作ってみたところ、思った以上にアイスクリームで、これはいける!と確信しました。せっかくコーンの柄を印刷するのなら、そこに企業のロゴを入れたグラフィックにすれば子どもたちが持って歩くだけで広告宣伝としての役割も果たせて、かつ、企業のこれからの取組みとして「地域の人々との交流を深める」ことにもつながる。

こうして、アイスクリーム風船が誕生しました。

大反響の末に起きたこと

イベント当日、思っていたより大反響で風船は午前中には完売。「アイスクリームの風船ほしー!!」と泣き出す子供までいました。すでに他の風船を持っていた子たちも、アイスクリーム風船を見るなり「これがほしい!」と。イベント当日はどこを見渡しても嬉しそうにアイスクリーム風船を手に持って歩く親子がたくさん。当日は弊社スタッフもイベントに参加しましたが、企業の方からは感謝のお言葉をたくさんいただきました。
普段は子供たちと話す機会があまりない職種で、職員全員最初は硬い表情でしたが、風船をもらって嬉しそうにする子どもたちをみて段々と表情も柔らかくなり、イベント後にはほとんどの人が笑顔で帰っていきました。

たかが風船、されど風船。イベント、大成功です。

そしてこれは後日談ですが、当日アイスクリーム風船を貰えなかった子供がどうしてもあの風船がほしいということで、会社に「アイスクリーム風船はもう在庫ないですか」との問い合わせが何件かあったそうです。

こうしてたくさんの人に影響を与えたアイスクリーム風船ですが、昨年の風船が余っていなければ誕生しなかったかもしれません。
すべての要因が重なったからこそ生まれたアイテムで、お金をかければそれが必ずしも大ヒットするわけではないということを私達も学びました。

イベントの裏側をお話してみましたが、いかがでしたでしょうか?
イベントは、見えない部分も含めてイベントです。
大変なことも楽しいことも含めて、皆様のイベント出展をサポートし、

必ず最後は

「出展してよかった」 「アド広研に相談してよかった」 と感じていただけるよう、
全力で寄り添います。